夢見ヶ崎動物公園にいるチリーフラミンゴの生態などを紹介

羽はきれいなピンク色。
バレリーナみたいに片足で立ったまま寝るんだ。
カメ、カルガモたちと仲良くいっしょにくらしているよ。
英名 : Chilean Flamingo / 学名 : Phoenicopterus Chilensis
脊索動物門 > 鳥綱 > フラミンゴ目 > フラミンゴ科 > フラミンゴ属
レッドリスト(絶滅危惧レベル):Near Threatened (NT) – 「準絶滅危惧」<近危急種>(準絶滅危惧)
チリーフラミンゴの特徴
外観と羽の色
チリーフラミンゴ(学名:Phoenicopterus chilensis)は、とてもきれいな見た目をしている鳥です。体はうすいピンク色の羽でおおわれていて、特に羽の先やしっぽの部分は少し赤みがかっています。足の関節(まがる部分)は赤色で、それ以外は灰色をしています。
チリーフラミンゴのクチバシは、とても特徴的な形をしていて、上の部分が小さく、下の部分が大きくなっていて、真ん中で「へ」の字のように曲がっています。この形のおかげで、水の中にいる小さな生き物を上手にすくい取ることができます。フラミンゴは、水の中の小さな虫やエビの仲間を食べているため、このクチバシの形がとても役立っています。
足の形と役割
チリーフラミンゴの足はとても長く、100~130cmほどあります。関節の部分は赤く、足の先には「水かき」がついています。水かきがあるおかげで、水の中でもスムーズに歩いたり、えさをとったりしやすくなっています。
フラミンゴは、泥の中に長い足を入れてえさを探します。また、たくさんのフラミンゴが群れになって移動するときにも、長い足のおかげで広い範囲を歩き回ることができます。
成長と羽の色の変化
チリーフラミンゴのひな鳥は、生まれたときは灰色の羽をしており、成長するにつれて、だんだんピンク色に変わっていきます。この色の変化は、フラミンゴが食べる食べ物に関係しています。エビや小さな生き物にふくまれる「カロチノイド」という色素を食べることで、体の色がピンク色になっていくのです。
ひなが大人になるまでには、羽がしっかり成長し、体重も増えていきます。親鳥はオスとメスが協力して、たった1つの卵を大切に温め、ひなが生まれた後も一緒に育てます。
チリーフラミンゴの暮らし
住んでいる場所
チリーフラミンゴは、南アメリカのチリやアルゼンチン、ペルー南部などに住んでいます。特に、塩がふくまれた湖や海の近くによく見られます。また、アンデス山脈のような高い山の湖(標高4500m)にもすんでいることがわかっています。
これらの場所には、小さな虫やエビ、藻(も)などのえさがたくさんあります。フラミンゴは、えさを見つけるために数百から数千羽の大きな群れを作ってくらしています。群れで行動することで、外敵(ほかの動物からの攻撃)から身を守ることもできるのです。
食べ物と食べ方
チリーフラミンゴは、いろいろな食べ物を食べる「雑食(ざっしょく)」の鳥です。水の中の小さな虫やエビの仲間、藻、植物の種などを食べます。
フラミンゴのえさのとり方はとてもユニークで、頭をさかさまにして水につけ、クチバシを使って水といっしょにえさをすくい取ります。そして、クチバシの中にある小さな歯のような部分を使い、必要な食べ物だけをこし取ります。
フラミンゴは、群れでいっしょにえさをとることが多く、協力することでより効率よく食べ物を手に入れています。
子育てと繁殖(はんしょく)
チリーフラミンゴは、繁殖期(赤ちゃんを産む時期)になると、大きなグループで「コロニー」と呼ばれる場所を作ります。フラミンゴの巣は、泥をかためて山のようにした形をしています。オスとメスが協力して巣を作り、1つの卵を産みます。
卵は、約30日間かけて親鳥によって温められます。ひなが生まれたあとは、約100日で羽がしっかりして、飛べるようになります。この間、親鳥はオスとメスが協力してひなを育てます。
繁殖期には、フラミンゴ同士で「求愛(きゅうあい)ダンス」をすることもあります。これは、相手をひきつけるための行動で、首をふったり、羽を広げたりする姿が観察されています。